茶漉し

忘れたくない言葉たち

若さと成長

太宰治の「人間失格」を読んだのは、中学生のときだった。

中学生なりの知識・経験でもその内容にかなりの衝撃を受けた。 その時の衝撃は「心の中をこんなに赤裸々に書いてもいいんだ」という感じだった。

けど、大人になった今はもっと別の驚きがある。 なんとなく読んでいたところも大人になってわかるようになってきた。

例えば、この部分は今ならわかる。

(それは世間が、ゆるさない)
(世間じゃない。あなたが、ゆるさないのでしょう?)
(そんな事をすると、世間からひどいめに逢うぞ)
(世間じゃない。あなたでしょう?)
(いまに世間から葬られる)
(世間じゃない。葬るのは、あなたでしょう?)
引用:『人間失格

当時のわたしは若すぎて、よくわかっていなかった。 もしかすると若くなくてもわかっていなかったかもしれない。 今はSNSがあるからある程度は理解できる。

理解できるのは良いことなのだろうか?悪いことなのだろうか?